「渾身のプレスリリース、これでうちの会社の知名度もアップ間違いなし!」
そう胸を躍らせて配信したものの、メディアからの反応は驚くほど静か…。そんな経験、ありませんか? 地方には、まだ世に知られていない素晴らしい宝が溢れています。我が鹿児島県も例外ではありません。しかし、その価値を伝えるプレスリリースが「読まれない」ものだったら、それはあまりにもったいない。まさに「宝の持ち腐れ」ですぞ!
広報PRに情熱を燃やす私が、今回は「読まれないプレスリリース」の典型的なNGポイントと、メディアの目に留まり、読者の心を掴むための具体的な改善策を、世界と日本の事例を交えながら徹底解説します。この記事を読めば、あなたのプレスリリースは劇的に変わるはずです!
これでは届かない!メディアも読者もスルーする「残念プレスリリース」の特徴
まず、なぜあなたのプレスリリースが読まれないのか、その原因を特定しましょう。以下に挙げるNGポイントに心当たりはありませんか?
- 【NG】タイトルで惹きつけられない、何がニュースか不明瞭
- ありがちな例: 「〇〇株式会社、新製品発売のお知らせ」「イベント実施のご案内」
- なぜダメ?: 記者は毎日膨大な数のリリースに目を通します。平凡なタイトルでは、その他大勢に埋もれてしまいます。読者の興味を瞬時に引く「フック」がなければ、開封すらされません。
- 改善ポイント:
- 具体性・新規性・社会性を前面に!: 「【鹿児島発!】伝統工芸×AIが生んだ革新的プロダクト『〇〇』誕生」
- 数字や実績でインパクトを!: 「発売3日で1万個突破!〇〇社の『△△』、人気の秘密とは?」
- 読者のメリットを提示!: 「テレワークの課題を解決!〇〇システムで業務効率30%アップ」
- 問いかけで興味を引く!: 「なぜ今、地方の〇〇が注目されるのか?その理由を徹底解剖!」
- 【NG】情報が散漫!「結局、何が重要?」が伝わらない
- ありがちな例: 伝えたいことが多すぎて要点がぼやける、時系列がバラバラ、専門用語だらけで難解。
- なぜダメ?: 読者は常に時間を気にしています。分かりにくい、読むのに努力が必要な情報は敬遠されます。特に地方の独自の取り組みは、背景説明も重要ですが、それが冗長すぎると逆効果です。
- 改善ポイント:
- 結論ファースト、逆三角形を意識!: 最も重要な情報を冒頭に。そこから詳細情報を展開。
- 5W1Hを明確に記載: いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように行ったのかを簡潔に。
- 箇条書き、小見出し、太字を効果的に活用: 情報を整理し、視覚的な読みやすさを追求。
- 専門用語は極力避け、平易な言葉で: どうしても必要な場合は、必ず注釈を。中学生が読んでも理解できる表現が理想です。
- 【NG】ただの宣伝・自画自賛に終始
- ありがちな例: 「当社の素晴らしい技術力!」「画期的な製品です!」といった主観的表現のオンパレード。
- なぜダメ?: プレスリリースは広告チラシではありません。メディアが求めるのは客観的な事実に基づいた「ニュースバリュー」のある情報です。過度な売り込みは信頼性を損ないます。
- 改善ポイント:
- 客観的なデータや事実で裏付けを: 「顧客アンケートで満足度95%」「特許取得技術〇〇を活用」など。
- 社会的な意義や公益性を強調: その取り組みが地域社会や業界にどのような貢献をするのか。
- 第三者の声を引用: 利用者の声、専門家や有識者のコメント、受賞歴などを盛り込む。
- 【NG】独自性・新規性に乏しく、ニュース価値が見えない
- ありがちな例: 他社との差別化が不明確、なぜ今この情報を発信するのかが伝わらない。
- なぜダメ?: メディアは常に「新しい情報」「珍しい情報」「社会性のある情報」を求めています。既視感のある内容では、取り上げる動機が生まれません。
- 改善ポイント:
- 「日本初」「業界初」「独自開発」などの強みを明確に: 事実であれば、遠慮なくアピール。
- ストーリーで共感を呼ぶ: 開発の背景にある情熱や困難、創業者の理念などを盛り込む。
- 時事性やトレンドと結びつける: SDGs、地域創生、働き方改革など、世の中の関心事と関連付けて発信する。
- 【NG】誤字脱字、体裁の不備が目立つ
- ありがちな例: 誤字・脱字、敬語の間違い、フォントや行間の不統一、添付ファイル名の不備。
- なぜダメ?: 細かい点ですが、企業の信頼性や広報担当者の注意力に関わります。「この会社、大丈夫かな?」という不信感は、内容以前の問題です。
- 改善ポイント:
- 複数人による徹底的な校正: 声に出して読む、時間を置いて再読するなどの工夫も有効。
- 統一された読みやすいフォーマット: 適度な余白、視認性の高いフォント、適切な文字サイズ。
- ファイル名も分かりやすく: 「【プレスリリース】〇〇株式会社_新サービス△△開始_20250602.pdf」など。
- 【NG】情報量が極端に少ない、または逆に多すぎる
- ありがちな例: A4用紙半分にも満たない情報量、逆に何ページにもわたる長文。
- なぜダメ?: 情報が少なすぎると、ニュースとしての価値を判断できません。逆に多すぎると、要点が掴めず読む気が失せます。
- 改善ポイント:
- A4用紙1~2枚程度が目安: もちろん内容によりますが、簡潔かつ必要十分な情報量を心がける。
- 補足資料は別途添付: 詳細データや関連資料は、本文とは別に添付ファイルで提供する。
- 【NG】一般的なプレスリリースのフォーマットから逸脱
- ありがちな例: 発信日の記載がない、タイトルと本文の区別がつきにくい、リード文がない。
- なぜダメ?: プレスリリースには、情報を受け取る側が効率的に内容を理解するための「お作法」とも言える基本フォーマットが存在します。これを無視すると、非常に読みにくいものになります。
- 改善ポイント:
- 基本構成を遵守:
- 発信日・発信者名: いつ、誰からの情報か明確に。
- タイトル: 最も重要なキャッチコピー。
- リード文: タイトルの内容を補足し、本文へ誘導する数行の要約。
- 本文: 背景、目的、具体的な内容(新製品の特長、イベントの詳細など)、今後の展望などを論理的に記述。
- 企業情報・問い合わせ先: 下記参照。
- 基本構成を遵守:
- 【NG】誰が発信しているのか?配信主体が不明瞭
- ありがちな例: 会社名や団体名の記載が小さい、担当部署や担当者名、連絡先が書かれていない、または不正確。
- なぜダメ?: メディアが興味を持っても、問い合わせ先が分からなければ取材につながりません。これは致命的な機会損失です。また、責任の所在が曖昧な情報は信頼されにくいです。
- 改善ポイント:
- リリース末尾に必ず明記:
- 正式な会社名・団体名
- 所在地、代表者名
- 広報担当部署名、担当者氏名
- 電話番号、メールアドレス
- 自社ウェブサイトURL
- 問い合わせ時間は具体的に: 「(平日9:00~17:00)」など。
- リリース末尾に必ず明記:
「読まれるプレスリリース」は、地域を輝かせる強力な武器
いかがでしたでしょうか。一つでも「あ!」っと思い当たることがあれば、それは伸びしろです。
プレスリリースは、単なるお知らせではありません。それは、あなたの組織の「顔」であり、社会との「架け橋」です。特に私たち地方の人間にとっては、地域の魅力を全国、そして世界へ発信するための強力な武器となり得ます。
今回ご紹介したポイントを踏まえ、一つ一つ丁寧にプレスリリースを作成することで、メディアの目に留まる確率は格段に上がります。そしてそれは、あなたの会社や団体の成長はもちろん、鹿児島をはじめとする愛すべき故郷の活性化にも繋がっていくと、私は固く信じています。
さあ、恐れずに、情熱を込めて、戦略的に。あなたの「伝えたい!」を、読まれるプレスリリースに乗せて、世界へ届けましょう!